私の無くした涙は紫色のお湯に溶けてしまったの

女のブルース
今日のワタシの涙は消えてしまった。
きっと、うす紫の下着を脱いで薄紫のお湯に入ったから。
そのなかにこぼれ落ちて消えてなくなってしまったのだ。
ほんとうならばいまごろ。
それは言わない約束。
一か月前の口約束は反古にされた。
何もなかったかのように。
どれだけ今日の約束が重要なものか。
ワタシ以外の人には意味が無い。


ワタシはイザベラのように、今日の涙をなくしてしまった。
その涙を探そう。
黒いシャッポを斜めにかぶって。
雨の御堂筋に落ちているのか。
もし見つけることができたなら。
この命預けよう。


見つからなかったなら。
煙立つ闇のなかに乾いた浮気な視線を遊ばせるだけ。
今日?見つかるわけない。
だからこうして液体を流し込み続ける。